父はわたしが16歳の時になくなりました。44歳でした。
その日は突然きました。
朝起きると、父と母の寝室に鮮血せひたひたになっている洗面器がありました。
何が起こったかさっぱりわからず。
「これから病院におとうさんと行ってくる。学校終わったら、病院によって」
そう、母に言われ、学校に向かいました。
心配はしていたものの、大事には至らないだろうと思っていました。
学校が終わり、病院に行くと、酸素マスクをし、ぐったりした父が横たわっていました。
「やだな、おとうさん、死んじゃうみたいじゃん」
「ははは」
これが、私と父の最後の会話でした。未明に父は息を引き取りました。
入院と同時に、最後に合わせたい人を呼んでくださいと言われた母は、携帯電話がない時代に、親戚中に連絡をとり、その最期は、思うに多くの人に囲まれたと思います。
父が亡くなってから、母はそれなりの苦労をしたと思います。けれども、持って生まれたバイタリティでいまも元気にしています。
幼い頃はいつも父の膝にすわって、いました。なので父とはケンカした記憶も怒られた記憶もないです。山本学さんという俳優さんに似ていて、いつも自宅では着物? 着流し? 和服でした。
わたしが中学のころ、母と折り合いが合わなかったとき。逃げ場は父でした。卒業式の直前に母と言い合いになり、仕事を休んで卒業式に来てもらいました。
高校の入学式。ともに祝った門出はこれが最後でした。
命日とか、お彼岸とか、実は大嫌いです。否応なしにそばにいないことを突きつけられる感じがわたしの中にはありましたす。
年のせいでしょうか。今年の父の日は、ずっと、父のことがアタマから離れないのです。そしてこうして書いています。
お父さん、わたしは元気にしていますよ。安心してください。心配しないでくださいね。
残念ながら、おかあさんはしばらく、そちらにはいかないと思います(笑)
そして、夫が父として、息子たちと幸せな時間を過ごしてほしいと願います。
Happy father’s day!
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